
いきいき健口相談
身近にある「歯」の心配事、疑問に歯医者さんが答えています。お口のの健康と身体の健康はとても深い関係です。
第1回 歯周病と肥満・糖尿病
互いに悪影響を及ぼす
質 問
自営業をしている42歳の男性です。家族から何度も「メタボ」と言われるのが気になり、昨年初めて特定健診を受けました。 結果、肥満と判定され、血糖検査値にも異常があるとのことで、保健指導を受けた上で専門医による治療を、と勧められました。 病院で、診断のための検査や治療に関する説明を受けたとき、歯周病の検診を受けることも指導され、歯科医院を紹介してもら いました。肥満や糖尿病と歯周病の関係につ いて教えてください。
回 答

徳島県歯制医師会
竹田 信也
第1回歯周病と肥満・糖尿病
互いに悪影響を及ぼす
歯周病は、糖尿病の6番目の合併症であるとされ、糖尿病と歯周病との関係については、いろいろと研究結果が報告されています。 結論からいえば、糖尿病か肥満の人、あるいはその両方である人は、歯周病になりやすいのです。
歯周病になると、歯茎が腫れて不快だし、歯を支える組織が侵されていくために歯の寿命が短くなりますが、肥満や糖尿病の患者 の多くにこの傾向がみられます。高血糖や肥満によって炎症反応が過剰に起き、これによって、歯を支える組織の破壊が促進する といわれています。
また、歯周病は糖尿病を悪化させること、心筋梗塞の原因となる動脈硬化をより進行させることなども、最近分か ってきました。重い歯周病になると、体内で軽い炎症が続き、血糖値を低下させるイン スリンの機能が弱まって、血糖コントロ ールがしづらい状態となるのです。
適切な歯周病治療を行えば、血糖コントロールが向上し、血糖状態の指標となるH b A 1 c(ヘモグロビン・エーワン・シー )が 大きく減少して、糖尿病の治療効果が上 がることが示されているのです。ちなみにH b A 1 cは、その値が6・5%()以上なら糖尿病 と診断されます。

徳島県は、糖尿病死亡率が全国1位(2011年4月)と憂慮すべき状態にあります。そこで、県医師会は「糖尿病対策班」を立ち上げ、県行政をはじめ、糖尿病診療に 関係する歯科医師会、栄養士会など諸団体が連携して、糖尿病死亡率ワーストワンから脱却を目指してきました。
その一つが、医療連携クリテイカルパスというものです。特定健診後、医療機関です。特定健診後、医療機関での検査を勧められたのは「保健師用 バス」、病院から歯周病検診受診の指導があったのは「歯科用バス」で、いずれもこの連携パスの活用であり、情報共有化を図って糖尿病治療を有 効に進めるため取り組みなのです。
県歯科医師会では、この歯科連携の一環として、県医師会の協力を得て、予備軍を含めた糖尿病患者を対象に、歯周病検診を推奨する活動を行って います。また、歯科医師会の会員1 1 9人が、日本糖尿病協会歯科医師登録医として認定されていますので、糖尿病と歯周病の関係については、県 内の歯科診療所でさらに詳しく説明してもらえます。
歯周病になると、歯茎が腫れて不快だし、歯を支える組織が侵されていくために歯の寿命が短くなりますが、肥満や糖尿病の患者 の多くにこの傾向がみられます。高血糖や肥満によって炎症反応が過剰に起き、これによって、歯を支える組織の破壊が促進する といわれています。
また、歯周病は糖尿病を悪化させること、心筋梗塞の原因となる動脈硬化をより進行させることなども、最近分か ってきました。重い歯周病になると、体内で軽い炎症が続き、血糖値を低下させるイン スリンの機能が弱まって、血糖コントロ ールがしづらい状態となるのです。
適切な歯周病治療を行えば、血糖コントロールが向上し、血糖状態の指標となるH b A 1 c(ヘモグロビン・エーワン・シー )が 大きく減少して、糖尿病の治療効果が上 がることが示されているのです。ちなみにH b A 1 cは、その値が6・5%()以上なら糖尿病 と診断されます。

徳島県は、糖尿病死亡率が全国1位(2011年4月)と憂慮すべき状態にあります。そこで、県医師会は「糖尿病対策班」を立ち上げ、県行政をはじめ、糖尿病診療に 関係する歯科医師会、栄養士会など諸団体が連携して、糖尿病死亡率ワーストワンから脱却を目指してきました。
その一つが、医療連携クリテイカルパスというものです。特定健診後、医療機関です。特定健診後、医療機関での検査を勧められたのは「保健師用 バス」、病院から歯周病検診受診の指導があったのは「歯科用バス」で、いずれもこの連携パスの活用であり、情報共有化を図って糖尿病治療を有 効に進めるため取り組みなのです。
県歯科医師会では、この歯科連携の一環として、県医師会の協力を得て、予備軍を含めた糖尿病患者を対象に、歯周病検診を推奨する活動を行って います。また、歯科医師会の会員1 1 9人が、日本糖尿病協会歯科医師登録医として認定されていますので、糖尿病と歯周病の関係については、県 内の歯科診療所でさらに詳しく説明してもらえます。
第3回 学校の検診で「CO」
歯磨き・食生活の改善を
質 問
最近、狭心症の発作があり、循環科医院に通院していますが、歯周病が心臓病と関係があると聞きました。数年前、歯科医院で歯周病と言われ、定期的な受診を勧められたことがあるのですが、しれ以来、受診していないので気になっています。どのような関係があるのでしょうか。(50歳男性)
回 答

徳島県歯制医師会
東山 祐陽
第2回 歯周病と心臓病の関係
細菌が血管狭める作用促進
学校歯科検診も終わり、既に、診断結果の通知をもらって帰ってきたお子さまも多いかと思います。ご質問の内容によると、お子さまは3年生であ ることから、1番奥の歯は第1大臼歯(いわゆる 6 歳臼歯)で、永久歯のかみ合わせの面の溝の部分が、むし歯になり始めていると判断されます。 「C O 」は「要観察歯」の ことです。現時点でむし歯と は断定できないものの、口腔内環境の悪い状態が続くと、治療が必要なむし歯になる可 能性が高い状態で、歯の表面が白斑、白濁、褐色斑などの 色変化として観察される(穴はあいていない)状態の歯をいいます。学校歯科保健における健康教育の観点から、1995年度より使用されている用語です。
COは、むし歯になる可能 性が高い半面、歯磨きの方法 や生活習慣を見直すことで口腔内環境が改善され、さらに、フッ化物の応用などが加わると、むし歯の進行停止や元の健康な状態に戻る(再石 灰化 )可能性もあります。
「むし歯H治療」ではなく、適切な指導を受けて実行すれば、むし歯であっても、元に戻るチャンスがあることを伝え、児童生徒が自分の健康を自らで維持管理しようとする力を育むことを目的としています。 むし歯ができるには、まず歯の表面に定着した細菌が、ショ糖(砂糖)を利用して粘着性の多糖を合成し、歯に強く付着して歯垢(デンタルプラーク)という細菌の塊を形成します。その歯垢の中に、さらに食物として取られた糖質が浸透し、歯垢内の細菌によって酸がつくられます。
そして 、口の中が臨界点( PH 5・4 )より酸性に傾くと、歯の表面が溶け始めます。これを脱灰といいます。 一時的に歯の表面が溶けても、唾液の自浄作用や歯磨きなどで口腔内環境が改善されると、元の健康な状態に戻り ます。これを再石灰化といいます。これには時間的要素が関わってきす。
図のように、口の中では絶えず、脱灰と再石灰化を繰り返しています。糖質に触れる時聞が短いと、唾液の力だけでも酸の中和と 再石灰化が起こります。しかしながら、不規則に飲食を繰り返し、糖質に触れる時聞が長いと、口の中は酸性に傾いたまま、再石灰する機会がなく、むし歯が進行していきます。 このように、むし歯予防には、歯磨き習慣だけではなく、食生活の改善や、よくかんで唾液の分泌を促進するなどの必要があります。さらに、再石灰化を効果的に促進するためには、フッ化物配合の歯磨剤や洗口液の使用、歯科医院で定期的にフッ化物を塗布することもお勧めします。 学校歯科健診でCOが見つかった場合、健康診断のお知らせ文書では“経過観察”とされ、治療を勧告するもので はありません。しかしなが ら、むし歯へと発展するリスクの高い状態となっています。現状の維持や改善のため には、その児童生徒の生活環 境などに見合った予防法と継続的な管理を必要とします。 そのような手法を講じた上での“経過観察”であり、何もしないで現状の維持・改善はあり得ません。 まずは、養護教諭や学校歯科医に相談するといいでしょう。また、学校健諺はスクリーニングであり、精密な診査や確定藍削を行うものではありません。「経過観察」であっても、かかりつけの歯科医院を受診し、確定診断を得た上で、定期的な健康管理を行 うことも大切です。
COは、むし歯になる可能 性が高い半面、歯磨きの方法 や生活習慣を見直すことで口腔内環境が改善され、さらに、フッ化物の応用などが加わると、むし歯の進行停止や元の健康な状態に戻る(再石 灰化 )可能性もあります。
「むし歯H治療」ではなく、適切な指導を受けて実行すれば、むし歯であっても、元に戻るチャンスがあることを伝え、児童生徒が自分の健康を自らで維持管理しようとする力を育むことを目的としています。 むし歯ができるには、まず歯の表面に定着した細菌が、ショ糖(砂糖)を利用して粘着性の多糖を合成し、歯に強く付着して歯垢(デンタルプラーク)という細菌の塊を形成します。その歯垢の中に、さらに食物として取られた糖質が浸透し、歯垢内の細菌によって酸がつくられます。
そして 、口の中が臨界点( PH 5・4 )より酸性に傾くと、歯の表面が溶け始めます。これを脱灰といいます。 一時的に歯の表面が溶けても、唾液の自浄作用や歯磨きなどで口腔内環境が改善されると、元の健康な状態に戻り ます。これを再石灰化といいます。これには時間的要素が関わってきす。
図のように、口の中では絶えず、脱灰と再石灰化を繰り返しています。糖質に触れる時聞が短いと、唾液の力だけでも酸の中和と 再石灰化が起こります。しかしながら、不規則に飲食を繰り返し、糖質に触れる時聞が長いと、口の中は酸性に傾いたまま、再石灰する機会がなく、むし歯が進行していきます。 このように、むし歯予防には、歯磨き習慣だけではなく、食生活の改善や、よくかんで唾液の分泌を促進するなどの必要があります。さらに、再石灰化を効果的に促進するためには、フッ化物配合の歯磨剤や洗口液の使用、歯科医院で定期的にフッ化物を塗布することもお勧めします。 学校歯科健診でCOが見つかった場合、健康診断のお知らせ文書では“経過観察”とされ、治療を勧告するもので はありません。しかしなが ら、むし歯へと発展するリスクの高い状態となっています。現状の維持や改善のため には、その児童生徒の生活環 境などに見合った予防法と継続的な管理を必要とします。 そのような手法を講じた上での“経過観察”であり、何もしないで現状の維持・改善はあり得ません。 まずは、養護教諭や学校歯科医に相談するといいでしょう。また、学校健諺はスクリーニングであり、精密な診査や確定藍削を行うものではありません。「経過観察」であっても、かかりつけの歯科医院を受診し、確定診断を得た上で、定期的な健康管理を行 うことも大切です。
第2回 歯周病と心臓病の関係
細菌が血管狭める作用促進
質 問
最近、狭心症の発作があり、循環科医院に通院していますが、歯周病が心臓病と関係があると聞きました。数年前、歯科医院で歯周病と言われ、定期的な受診を勧められたことがあるのですが、しれ以来、受診していないので気になっています。どのような関係があるのでしょうか。(50歳男性)
回 答

徳島県歯制医師会
下村 学
第2回 歯周病と心臓病の関係
細菌が血管狭める作用促進
狭心症や心 筋梗塞に代表 される心臓病は、日本におる死亡原因の2位(2 0 0 9 年人口動態統計)でまさに命に関わる病気といえま す。歯周病が、その心瞳病のリスクを高めることは、さまざまな研究で明らかにされています。
狭心症や心筋梗塞は、動脈硬化が心臓の血管に起こり血管が狭くなったり詰まったりするものですが、この血管壁から歯周病原細菌が見つかることがあり、血管房狭める作用を促進すると考えられています。また、歯周病によっ て血液中のサイトカインという物質が増え、動脈硬化の進行に関与するとも考えられています。サイトカインは、炎症を伝承するホルモンのような物質です。
アメリカでは「 F l o s s o r D i e 」(フロスを使うか死ぬか)という言葉があります。「デンタルフロス(合成繊維で作った糸状の歯間清掃用具)を使うような丁寧な歯磨きをしないと、生死に関わるリスクが高くなる」という意味です。10年ほど前に、歯周病と、心臓 病や早産・低体重児出産との 関連が報告された際の、新聞 や雑誌の記事の見出しです。 れ以降、この言葉はアメリカにおける歯周病予防のうたい文句にもなっています。
デンタルフロスは、歯磨き の補助具としては歯間ブラシとともに代表的なものですが、残念ながら、日本での使用率はやや低いといえます。 歯周病の予防に、このような 補助具の使用は効果的ですので、歯科衛生士からのアドバイスを受けて、使ってみていただきたいところです。

また、歯周病は心臓病だけではなく、さまざまな病気と深く関わっています(図参照》。これは、歯周病が歯の病気というより、歯肉の病気であるという特徴に理由があります。歯周病は、腫れた歯肉から産出されるサイトカインや、組織を破壊する酵素が過剰になることで、歯の周りの組織が自ら腫れていく病気だと表現できます。この歯肉の腫れている部分から、細菌だけではなく、サイトカインや酵素が血液に乗って全一身に運ばれていく可能性があるため、全身の疾患に影響があると考えられているのです。
8 0 2 0推進財団(東京)が発行している小冊子「からだの健康は歯と歯ぐきから~歯周病対策から健康力アップ」には、歯周病と全身の疾患との関係が分かりやすく解説されています。この小冊子は、同財団ホームページ〈http://www.8020zaidan.or.jp/〉内の「歯とお口の健康小冊子」のペlジに、印刷が可能なP D F形式のファイルがありますので、ぜひ利用してください。 歯周病を予防することは、心臓病をはじめさまざまな病気の予防につながります。
歯周病の予防は、患者自身の丁 寧なブラッシングに代表されるセルフケアと、歯科医院で行うスケーリング(歯石取り)に代表されるプロフェッショナルケアの両方が不可欠です。かかりつけの歯科医院での定期的な受診をお勧めする理由はここにあります。
糖尿病やメタボリツクシンドロームなどの生活習慣病の予防に、食事や運動といった 生活習慣の改善が重要である ことは、広く知られるようになりました。これにぜひ、歯と歯ぐきのケアを加えていただきたいと思います。
狭心症や心筋梗塞は、動脈硬化が心臓の血管に起こり血管が狭くなったり詰まったりするものですが、この血管壁から歯周病原細菌が見つかることがあり、血管房狭める作用を促進すると考えられています。また、歯周病によっ て血液中のサイトカインという物質が増え、動脈硬化の進行に関与するとも考えられています。サイトカインは、炎症を伝承するホルモンのような物質です。
アメリカでは「 F l o s s o r D i e 」(フロスを使うか死ぬか)という言葉があります。「デンタルフロス(合成繊維で作った糸状の歯間清掃用具)を使うような丁寧な歯磨きをしないと、生死に関わるリスクが高くなる」という意味です。10年ほど前に、歯周病と、心臓 病や早産・低体重児出産との 関連が報告された際の、新聞 や雑誌の記事の見出しです。 れ以降、この言葉はアメリカにおける歯周病予防のうたい文句にもなっています。
デンタルフロスは、歯磨き の補助具としては歯間ブラシとともに代表的なものですが、残念ながら、日本での使用率はやや低いといえます。 歯周病の予防に、このような 補助具の使用は効果的ですので、歯科衛生士からのアドバイスを受けて、使ってみていただきたいところです。

また、歯周病は心臓病だけではなく、さまざまな病気と深く関わっています(図参照》。これは、歯周病が歯の病気というより、歯肉の病気であるという特徴に理由があります。歯周病は、腫れた歯肉から産出されるサイトカインや、組織を破壊する酵素が過剰になることで、歯の周りの組織が自ら腫れていく病気だと表現できます。この歯肉の腫れている部分から、細菌だけではなく、サイトカインや酵素が血液に乗って全一身に運ばれていく可能性があるため、全身の疾患に影響があると考えられているのです。
8 0 2 0推進財団(東京)が発行している小冊子「からだの健康は歯と歯ぐきから~歯周病対策から健康力アップ」には、歯周病と全身の疾患との関係が分かりやすく解説されています。この小冊子は、同財団ホームページ〈http://www.8020zaidan.or.jp/〉内の「歯とお口の健康小冊子」のペlジに、印刷が可能なP D F形式のファイルがありますので、ぜひ利用してください。 歯周病を予防することは、心臓病をはじめさまざまな病気の予防につながります。
歯周病の予防は、患者自身の丁 寧なブラッシングに代表されるセルフケアと、歯科医院で行うスケーリング(歯石取り)に代表されるプロフェッショナルケアの両方が不可欠です。かかりつけの歯科医院での定期的な受診をお勧めする理由はここにあります。
糖尿病やメタボリツクシンドロームなどの生活習慣病の予防に、食事や運動といった 生活習慣の改善が重要である ことは、広く知られるようになりました。これにぜひ、歯と歯ぐきのケアを加えていただきたいと思います。
第4回 3歳児検診で歯並びに不正
虫歯予防・検診継続を
質 問
3歳児健診で歯並びに問題があると言われました。子供の口の中を見ると、下の前歯同士が少し重なっています。食べたものが歯と歯の聞に挟まりやすい感じもあります。今のところ虫歯はないと言われましたが、このままにしておくと将来どのような問題が起こるのでしょうか。矯正が必要なのでしょうか。
回 答

徳島県歯制医師会
阿部 敬典
第4回 3歳児検診で歯並びに不正
虫歯予防・検診継続を
3歳児健診では、ほとんどの子供さんは20本の乳歯がはえそろい、かみ合わせも安定してきていますので、歯並びやかみ合わせに問題があれば、ある程度ははっきりしてきます。歯並びとかみ合わせの不正には主に次のようなものがあります。

①反対咬合(受け口)・・・下の前歯が上の前歯より前方でかみ合っている
②上顎前突(出っ歯)・・・上の前歯が下の前歯に対して大きく前方に突出している
③開校・・・上下の奥歯がかみ合っている状態で上下の前歯がかみ合わず隙間がある。食物を前歯でかみきることができない
④叢生(乱ぐい歯)・・・隣り合った歯が重なり合っている。「歯肉炎(歯周病の入り口)」の危険因子となるため注意が必要
⑤正中離開(すきっ歯)・・・上の前歯と前歯の間に6㍉以上の隙間がある。
こうした不正の原因には▽遺伝的要因▽不良習癖(物を飲み込む時に舌を前に出すなど)▽むし歯の多発-や、あるいは、様々な要因が重なって起こったものなどが考えられます。 ご質問の内容から、お子さんの歯並びは叢生だと思われます。叢生は顎の大きさに対して大きめの歯がはえてきた時などにみられますが、遺伝的な要因が強く関係していることが多いようです。歯と歯が重なって食べ物が挟まりやすく、歯磨きもしにくくなりますので「歯と歯のむし歯」や「歯肉炎」にもなりやすくなります。
図のように、口の中では絶えず、脱灰と再石灰化を繰り返しています。糖質に触れる時聞が短いと、唾液の力だけでも酸の中和と 再石灰化が起こります。しかしながら、不規則に飲食を繰り返し、糖質に触れる時聞が長いと、口の中は酸性に傾いたまま、再石灰する機会がなく、むし歯が進行していきます。 このように、むし歯予防には、歯磨き習慣だけではなく、食生活の改善や、よくかんで唾液の分泌を促進するなどの必要があります。さらに、再石灰化を効果的に促進するためには、フッ化物配合の歯磨剤や洗口液の使用、歯科医院で定期的にフッ化物を塗布することもお勧めします。
学校歯科健診でCOが見つかった場合、健康診断のお知らせ文書では“経過観察”とされ、治療を勧告するものではありません。しかしながら、むし歯へと発展するリスクの高い状態となっています。現状の維持や改善のためには、その児童生徒の生活環 境などに見合った予防法と継続的な管理を必要とします。
そのような手法を講じた上での“経過観察”であり、何もしないで現状の維持・改善はあり得ません。 まずは、養護教諭や学校歯科医に相談するといいでしょう。また、学校健諺はスクリーニングであり、精密な診査や確定藍削を行うものではありません。「経過観察」であっても、かかりつけの歯科医院を受診し、確定診断を得た上で、定期的な健康管理を行 うことも大切です。

①反対咬合(受け口)・・・下の前歯が上の前歯より前方でかみ合っている
②上顎前突(出っ歯)・・・上の前歯が下の前歯に対して大きく前方に突出している
③開校・・・上下の奥歯がかみ合っている状態で上下の前歯がかみ合わず隙間がある。食物を前歯でかみきることができない
④叢生(乱ぐい歯)・・・隣り合った歯が重なり合っている。「歯肉炎(歯周病の入り口)」の危険因子となるため注意が必要
⑤正中離開(すきっ歯)・・・上の前歯と前歯の間に6㍉以上の隙間がある。
こうした不正の原因には▽遺伝的要因▽不良習癖(物を飲み込む時に舌を前に出すなど)▽むし歯の多発-や、あるいは、様々な要因が重なって起こったものなどが考えられます。 ご質問の内容から、お子さんの歯並びは叢生だと思われます。叢生は顎の大きさに対して大きめの歯がはえてきた時などにみられますが、遺伝的な要因が強く関係していることが多いようです。歯と歯が重なって食べ物が挟まりやすく、歯磨きもしにくくなりますので「歯と歯のむし歯」や「歯肉炎」にもなりやすくなります。
図のように、口の中では絶えず、脱灰と再石灰化を繰り返しています。糖質に触れる時聞が短いと、唾液の力だけでも酸の中和と 再石灰化が起こります。しかしながら、不規則に飲食を繰り返し、糖質に触れる時聞が長いと、口の中は酸性に傾いたまま、再石灰する機会がなく、むし歯が進行していきます。 このように、むし歯予防には、歯磨き習慣だけではなく、食生活の改善や、よくかんで唾液の分泌を促進するなどの必要があります。さらに、再石灰化を効果的に促進するためには、フッ化物配合の歯磨剤や洗口液の使用、歯科医院で定期的にフッ化物を塗布することもお勧めします。
学校歯科健診でCOが見つかった場合、健康診断のお知らせ文書では“経過観察”とされ、治療を勧告するものではありません。しかしながら、むし歯へと発展するリスクの高い状態となっています。現状の維持や改善のためには、その児童生徒の生活環 境などに見合った予防法と継続的な管理を必要とします。
そのような手法を講じた上での“経過観察”であり、何もしないで現状の維持・改善はあり得ません。 まずは、養護教諭や学校歯科医に相談するといいでしょう。また、学校健諺はスクリーニングであり、精密な診査や確定藍削を行うものではありません。「経過観察」であっても、かかりつけの歯科医院を受診し、確定診断を得た上で、定期的な健康管理を行 うことも大切です。