第32回 歯磨き粉の上手な使い方
フッ素入りでむし歯予防
質 問
小学1年生と3年生の子どもがいます。これまで、私自身はほんの少しの歯磨き粉で磨いており、子どもには歯磨き粉を付けずに磨かせていました。
しかし、学校の歯磨き指導で「付けて磨きましょう」と習ってきたようです。どちらが良いのでしょうか。
しかし、学校の歯磨き指導で「付けて磨きましょう」と習ってきたようです。どちらが良いのでしょうか。
回 答
徳島県歯科衛生士会
増田 洋子
第32回 歯磨き粉の上手な使い方
フッ素入りでむし歯予防
ご質問の通り、以前は「歯磨き粉を付けずに磨く、付けても歯ブラシの先にほんの少し」と指導してきました。長くそれを守ってこられたのですね。
今もその磨き方を続けていらっしゃる方は多いと思います。研磨剤の入った歯磨き粉でごしごしと強く磨いてしまうと、歯が摩耗して、知覚過敏などを引き起こしてしまうことがマイナスイメージになっていたせいだと思います。
歯磨き粉に含まれる発泡剤で口の中が泡だらけになり、隅々まで磨けないことがあるほか、「長く磨けない」「磨けたような気になってしまう。」ことも理由です。しかし、今は歯磨き粉を付けて磨くことを推奨しています。しかし、今は歯磨き粉を付けて磨くことを推奨しています。
歯磨き粉には、歯質の強化や殺菌剤、消炎剤などの薬用成分が含まれています。これらを上手に利用することで、むし歯や歯周病を効果的に予防することが可能になりました。
現在、市販の歯磨き粉の約80%にフッ化物(以後、分かりやすくフッ素と書きます)が配合されています。1980年代はわずか10%程度でした。ご存じの通り、フッ素には高いむし歯予防効果があります。 歯磨き粉はフッ素入りの物を選ぶことをお薦めします。子どもはもちろん、成人や高齢者の歯の再石灰化や、歯茎が痩せて露出した歯の根っこの部分にも有効です。そして正しい使い方をぜひ実践してみてください。
歯科医院でもフッ素入り歯磨き粉を販売していますが、市販のものとフッ素濃度に違いはないため、同じ効果が期待できます。ただ、歯科用は、低発泡、低香味で、うがい量が少なくて済む利点があります。
うがいの水の量や回数が多いとフッ素が洗い流されてしまい、十分な効果が得られません。歯磨き粉の量とうがいの仕方がポイントです。〈図参照〉。口腔内の有効濃度を保持するためにはダブルブラッシング法が効果的です。参考にして下さい。
定期的な歯科医院でのフッ素塗布も効果が高く、家庭でのホームケアと歯科医院でのプロフェッショナルケアを併せて行うことをお勧めします。
今もその磨き方を続けていらっしゃる方は多いと思います。研磨剤の入った歯磨き粉でごしごしと強く磨いてしまうと、歯が摩耗して、知覚過敏などを引き起こしてしまうことがマイナスイメージになっていたせいだと思います。
歯磨き粉に含まれる発泡剤で口の中が泡だらけになり、隅々まで磨けないことがあるほか、「長く磨けない」「磨けたような気になってしまう。」ことも理由です。しかし、今は歯磨き粉を付けて磨くことを推奨しています。しかし、今は歯磨き粉を付けて磨くことを推奨しています。
歯磨き粉には、歯質の強化や殺菌剤、消炎剤などの薬用成分が含まれています。これらを上手に利用することで、むし歯や歯周病を効果的に予防することが可能になりました。
フッ素入り歯磨き粉の年齢別使用量*
年 齢 | 使 用 量 | 歯磨き粉のフッ素濃度 |
注意事項 |
6ヵ月(歯の萌出) ~2歳 |
切った爪程度の少量 | 500ppm (泡状であれば1000ppm) |
仕上げ磨き時に保護者が行う。歯磨き後、軽くふき取るか1回洗口 |
3~5歳 | 5㍉以下 | 500ppm (泡状であれば1000ppm) |
就寝前が効果的。歯磨き後5~10mLの水で1回のみ洗口 |
6歳~14歳 | 1㌢程度 | 1000ppm | 就寝前が効果的。歯磨き後10~15mLの水で1回のみ洗口 |
15歳以上 | 2㌢程度 | 1000ppm | 就寝前が効果的。歯磨き後10~15mLの水で1回のみ洗口 |
*フッ素化物応用研究会「う蝕予防のためのフッ化物配合歯磨剤応用マニュアル」より引用(1000ppmは0.1%)
現在、市販の歯磨き粉の約80%にフッ化物(以後、分かりやすくフッ素と書きます)が配合されています。1980年代はわずか10%程度でした。ご存じの通り、フッ素には高いむし歯予防効果があります。 歯磨き粉はフッ素入りの物を選ぶことをお薦めします。子どもはもちろん、成人や高齢者の歯の再石灰化や、歯茎が痩せて露出した歯の根っこの部分にも有効です。そして正しい使い方をぜひ実践してみてください。
歯科医院でもフッ素入り歯磨き粉を販売していますが、市販のものとフッ素濃度に違いはないため、同じ効果が期待できます。ただ、歯科用は、低発泡、低香味で、うがい量が少なくて済む利点があります。
うがいの水の量や回数が多いとフッ素が洗い流されてしまい、十分な効果が得られません。歯磨き粉の量とうがいの仕方がポイントです。〈図参照〉。口腔内の有効濃度を保持するためにはダブルブラッシング法が効果的です。参考にして下さい。
定期的な歯科医院でのフッ素塗布も効果が高く、家庭でのホームケアと歯科医院でのプロフェッショナルケアを併せて行うことをお勧めします。