第4回 3歳児検診で歯並びに不正
虫歯予防・検診継続を
質 問
3歳児健診で歯並びに問題があると言われました。子供の口の中を見ると、下の前歯同士が少し重なっています。食べたものが歯と歯の聞に挟まりやすい感じもあります。今のところ虫歯はないと言われましたが、このままにしておくと将来どのような問題が起こるのでしょうか。矯正が必要なのでしょうか。
回 答
徳島県歯制医師会
阿部 敬典
第4回 3歳児検診で歯並びに不正
虫歯予防・検診継続を
3歳児健診では、ほとんどの子供さんは20本の乳歯がはえそろい、かみ合わせも安定してきていますので、歯並びやかみ合わせに問題があれば、ある程度ははっきりしてきます。歯並びとかみ合わせの不正には主に次のようなものがあります。
①反対咬合(受け口)・・・下の前歯が上の前歯より前方でかみ合っている
②上顎前突(出っ歯)・・・上の前歯が下の前歯に対して大きく前方に突出している
③開校・・・上下の奥歯がかみ合っている状態で上下の前歯がかみ合わず隙間がある。食物を前歯でかみきることができない
④叢生(乱ぐい歯)・・・隣り合った歯が重なり合っている。「歯肉炎(歯周病の入り口)」の危険因子となるため注意が必要
⑤正中離開(すきっ歯)・・・上の前歯と前歯の間に6㍉以上の隙間がある。
こうした不正の原因には▽遺伝的要因▽不良習癖(物を飲み込む時に舌を前に出すなど)▽むし歯の多発-や、あるいは、様々な要因が重なって起こったものなどが考えられます。 ご質問の内容から、お子さんの歯並びは叢生だと思われます。叢生は顎の大きさに対して大きめの歯がはえてきた時などにみられますが、遺伝的な要因が強く関係していることが多いようです。歯と歯が重なって食べ物が挟まりやすく、歯磨きもしにくくなりますので「歯と歯のむし歯」や「歯肉炎」にもなりやすくなります。
図のように、口の中では絶えず、脱灰と再石灰化を繰り返しています。糖質に触れる時聞が短いと、唾液の力だけでも酸の中和と 再石灰化が起こります。しかしながら、不規則に飲食を繰り返し、糖質に触れる時聞が長いと、口の中は酸性に傾いたまま、再石灰する機会がなく、むし歯が進行していきます。 このように、むし歯予防には、歯磨き習慣だけではなく、食生活の改善や、よくかんで唾液の分泌を促進するなどの必要があります。さらに、再石灰化を効果的に促進するためには、フッ化物配合の歯磨剤や洗口液の使用、歯科医院で定期的にフッ化物を塗布することもお勧めします。
学校歯科健診でCOが見つかった場合、健康診断のお知らせ文書では“経過観察”とされ、治療を勧告するものではありません。しかしながら、むし歯へと発展するリスクの高い状態となっています。現状の維持や改善のためには、その児童生徒の生活環 境などに見合った予防法と継続的な管理を必要とします。
そのような手法を講じた上での“経過観察”であり、何もしないで現状の維持・改善はあり得ません。 まずは、養護教諭や学校歯科医に相談するといいでしょう。また、学校健諺はスクリーニングであり、精密な診査や確定藍削を行うものではありません。「経過観察」であっても、かかりつけの歯科医院を受診し、確定診断を得た上で、定期的な健康管理を行 うことも大切です。
①反対咬合(受け口)・・・下の前歯が上の前歯より前方でかみ合っている
②上顎前突(出っ歯)・・・上の前歯が下の前歯に対して大きく前方に突出している
③開校・・・上下の奥歯がかみ合っている状態で上下の前歯がかみ合わず隙間がある。食物を前歯でかみきることができない
④叢生(乱ぐい歯)・・・隣り合った歯が重なり合っている。「歯肉炎(歯周病の入り口)」の危険因子となるため注意が必要
⑤正中離開(すきっ歯)・・・上の前歯と前歯の間に6㍉以上の隙間がある。
こうした不正の原因には▽遺伝的要因▽不良習癖(物を飲み込む時に舌を前に出すなど)▽むし歯の多発-や、あるいは、様々な要因が重なって起こったものなどが考えられます。 ご質問の内容から、お子さんの歯並びは叢生だと思われます。叢生は顎の大きさに対して大きめの歯がはえてきた時などにみられますが、遺伝的な要因が強く関係していることが多いようです。歯と歯が重なって食べ物が挟まりやすく、歯磨きもしにくくなりますので「歯と歯のむし歯」や「歯肉炎」にもなりやすくなります。
図のように、口の中では絶えず、脱灰と再石灰化を繰り返しています。糖質に触れる時聞が短いと、唾液の力だけでも酸の中和と 再石灰化が起こります。しかしながら、不規則に飲食を繰り返し、糖質に触れる時聞が長いと、口の中は酸性に傾いたまま、再石灰する機会がなく、むし歯が進行していきます。 このように、むし歯予防には、歯磨き習慣だけではなく、食生活の改善や、よくかんで唾液の分泌を促進するなどの必要があります。さらに、再石灰化を効果的に促進するためには、フッ化物配合の歯磨剤や洗口液の使用、歯科医院で定期的にフッ化物を塗布することもお勧めします。
学校歯科健診でCOが見つかった場合、健康診断のお知らせ文書では“経過観察”とされ、治療を勧告するものではありません。しかしながら、むし歯へと発展するリスクの高い状態となっています。現状の維持や改善のためには、その児童生徒の生活環 境などに見合った予防法と継続的な管理を必要とします。
そのような手法を講じた上での“経過観察”であり、何もしないで現状の維持・改善はあり得ません。 まずは、養護教諭や学校歯科医に相談するといいでしょう。また、学校健諺はスクリーニングであり、精密な診査や確定藍削を行うものではありません。「経過観察」であっても、かかりつけの歯科医院を受診し、確定診断を得た上で、定期的な健康管理を行 うことも大切です。