default_mobilelogo


title-q
インプラントの歯が入った後、定期的にメンテナンスを受けるようにと言われました。
なぜ治療が終わった後もメンテナンスをしないといけないのでしょうか。

 
第25回 インプラント後の手入れ
感染を予防 かむ力調整
インプラント治療後のトラブルは、ほとんどが歯周病(インプラント周囲炎)と過大な力によるかみ合わせの狂いです。言い換えれば、治療後に感染予防と力のコントロールをすることができれば、インプラントは長持ちさせることができることになります。
まず、インプラントの感染について説明します。金属(チタン)でできたインプラ ントは感染しないと思う人がいるかもしれませんが、インプラントの周囲の歯肉は天然歯に比べて感染しやすいものなのです。 健康な天然歯は周りの歯肉 と繊維の膜でぴったりくっついていて、細菌の侵入を防ぐ、いわゆる天然のバリアーになっているので感染に強いのですが、インプラントは、そのバリアーが失われた状態に植立されているからです。
当初は、清掃しやすいインプラントにするため、金属部分が少し歯肉から飛び出して 見えるようにかぶせ物をしていました。しかし最近、臼歯部においても審美性を考慮され、歯肉から飛び出していた金属部分を歯肉の中に隠し、 天然歯と同じように見える形も登場しています。そのため、インプラントの周りのポケット(歯と歯肉の溝)が5㍉以上の深さになることもあり、そこに歯石(細菌が石灰化したもの)などがたまります。
p25
天然歯の場合、3㍉以上のポケットがあれば歯周病と診断されます。歯周病の悪化を防ぐためには、自宅でのケアに加えて定期的なメンテナンスが必要と言われています。 もともと感染に弱いインプラントのポケットが天然歯より深いのですから、定期的なメンテナンスがとても重要だと理解していただけると思います。
さらに、インプラントを植立しても、もともとの天然歯を失った原因がすべて解消されたわけではありません。歯周病、喫煙、糖尿病など全身疾患による免疫力の低下、骨組しょう症、歯ぎしりなど、原因は予後にも影響を与えま す。リスクのある人は一層念入りなケアが必要となります。
次に、力のコントロールについてです。天然歯の場合、歯根膜といわれる組織があり、これがかむ力を調整するクッションの役割を果たしていますが、インプラントにはそれがなく、衝撃がダイレクトに伝わります。そのため、 かみ合わせの調整が行われないと、インプラントやインプラントとかみ合っている歯を傷めてしまうことになります。
当然、インプラントにかぶせ物をする時に調整を行いますが、一度の調整だけで良好な状態が続くわけではありません。また、インプラントは 動かなくても、天然歯は年を重ねるごとにすり減って前方に少しずつ倒れてくるので、 インプラントとその前の歯との間に隙間ができ、食べかすが挟まることもあります。そのため、定期的なメンテナンスを受けて、変化してきたかみ合わせの調整や、かぶせ物の修正をしていくことがとて も重要になります。
また、歯ぎしりやかみしめの強い人は、就寝中のマウスピースの装着が必要となってくるので、さらに定期的なメンテナンスを受け続けることが大切です。
p25-yonezawa徳島県歯科医師会
米沢 武師

line
このページのトップへ