警察歯科医会の誕生

昭和60年8月12日、群馬県多野郡上野町の山中で発生した、日航機墜落事故によって、世界航空機史上まれな520名の死亡者を出しました。この事故の遺体検案、検屍、身元確認作業には多数の警察職員とともに医師、歯科医師、看護師達が従事しました。
このような円滑な作業が行えたのは、群馬県が全国に先駆け「群馬県警察医会」を発足させていたお陰であり、この時点で県警察との組織化が行われていたのは、群馬県と大分県の2県だけでした。
翌年の昭和61年3月警察庁刑事局長からの要請に基づき全国に都道府県独自の組織化された警察協力体制が設立。
徳島県では昭和63年8月28日、徳島県歯科医師会警察協力医会が発足されました。

 

警察歯科医会の沿革をみる

 

 

 

警察歯科医に求められること

●歯科による身元確認
―生前死後デンタルチャートの作成
―生前死後の比較照合
―同一人か否かの判定

●歯からの年齢推定

●こども虐待の早期発見

歯科所見による身元判明

2001年ニューヨーク世界貿易センタービルの際、歯科所見により身元が判明したご遺体
約35%
2004年のスマトラ島沖地震によるタイの津波災害で歯科所見により身元が判明したご遺体
約56%


ご遺体の個人識別に用いるデータには、歯科所見、指掌紋、DNA型などがありますが、身元確認が長期化するような場合には、主として歯科所見とDNAが用いられ、とりわけ歯科所見の有効性が広く証明されています。

検視・検案にかかわる警察歯科医の業務は、警察からの協力要請にもとづいて行う、身元確認作業が主となります。法律では、「検視」というのは、刑事訴訟法第229条にもとづき、犯罪に起因する死体かどうかを判断するために、医師の立ち会いのもとに検察官あるいは警察官が死体の状況を調べることをいいます。したがって、歯科医師が行う業務は、「検視」の補助行為として遺体を検査し、生前の歯科記録などと照らし合わせて、身元確認に役立てることを主目的としています。

警察歯科医として

大規模災害での歯科の役割

主な内容/救急歯科医療活動(往診、診療車)、避難所での口腔ケア、災害関連死の予防、死後記録の採取と整理、照合作業(鑑定書作成)等。

徳島県歯科医師会の取り組み

主な内容/東日本大震災時の徳島県歯科医師会の活動報告、実際に身元確認作業に当たった歯科医師の手記等。

東日本大震災警察歯科活動報告

主な内容/全国の警察歯科医が東日本大震災で行った遺体検案等の活動記事、警視庁との大規模災害対応協定等。

警察歯科医による身元確認フロー

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 最後に。

最後に、大規模災害は近い将来必ずやって来ます。東日本大震災の際には、大津波が来るとは思わず逃げ遅れた人が多数いました。皆さんは災害を甘く考えず、まずはご自身の命を守ってください。

徳島県歯科医師会では、将来起こりうる大規模災害に備え日々活動を行っております。将来不幸にも徳島県に大規模災害が起った際には、徳島県歯科医師会会員は歯科医療スタッフはじめ医師会、警察、行政等と連携して身元確認作業にあたり、身元不明者が一人でも減り、ご家族のもとへ帰れるよう努力いたします。