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介護が必要な高齢者の方や、重篤な全身疾患のある方が多数おられる病院や介護の現場において「口腔ケア」が注目を集めています。それは、一体なぜなのでしょうか?


 
第34回 口腔ケアの重要性
生活の質の向上に貢献
国立社会保障・人口問題研究所によると、いわゆる団塊世代が65歳以上になる今後10数年の間に急速な人口の高齢化 が進み、2040年ごろに65歳以上の高齢者人口はピークを迎え、総人口の約3分の1を占めると推測されています。このような超高齢社会を迎えるにあたり、2000年には介護保険が導入されました。開始当初は介護認定者218万人だったのが、2010年度末には490.7万人に急増しており、特に軽度の被介護者が大きく増加していることから、軽度の被介護者が重度の被介護者にならないために何らかの対策が必要になってきています。

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このような状況下で、医療や介護の現場での「口腔ケア」が注目を集めています。「口腔ケア」が単なる口の中のケアだけではなく、発熱や食べ物を上手く飲み込めないことが原因で発生する肺炎(誤嚥性肺炎といいます)の予防といった全身の健康維持にも関連することが最近の研究でわかってきたからです。また、がんの手術や放射線治療、化学療法を受けられる患者さんに対し口腔ケアを行うことで、手術後に発生しやすいとされている肺炎(術後肺炎といいます)や、放射線治療、化学療法中に発生しやすい重度の口内炎の発生を抑えることが分かりました。その結果、患者さんが口から栄養を取りやすくなる環境が整うため体力の回復が早くなり、入院日数の短縮、早期の社会復帰を可能にしています。

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これらの結果から、現在では「口腔ケア」の考えをさらに一歩進め、摂食嚥下(ご飯を食べたり飲み込んだりすること)、発語、呼吸、唾液分泌など、広い意味での口腔機能の維持・回復に主眼をおいた 予防、歯科治療、リハビリテーションのあらゆる段階を包括したケアを行うことに主眼が置かれてきています。これを「口腔機能管理」と呼んでいます。「口腔機能管理」の目的を達成するためには、医療職 同士の連携のみならず介護、福祉職との連携が不可欠です。

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p34-kinoshita徳島県歯科医師会
木下 直人

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